補助金は経費の支出が先に来ることが多い
資金調達の方法の一つとして、補助金があります。
融資とは違い、返済の必要がないので、「もらえるのならもらいたい」ということで補助金の申請を進めることもあるかと思います。
しかし、補助金は融資とは異なり、事前にお金をもらえるわけではありません。
何かの設備投資が必要な場合、融資を受ける場合は原則として設備投資をする前に融資を受けます。
しかし、補助金の場合は、お金は事前に入ってこないことが多いです。
- 設備投資の前に、補助金の申請を出す
- 審査に通ると、補助金交付の決定がされる
- 交付が決定してから、設備投資をする
- 設備投資の支払いが完了したことを確認してから、補助金が交付される
というような流れになることが多いです。
補助金の交付が決定してから、実際にお金が入ってくるまでは数ヶ月~数年かかることもあります。
数年後にお金が入るというのは、資金繰りとしてはなかなか厳しいものがあります。
それよりも、利息は払って返済の必要がありますが、融資を受けたほうが入金が早いです。
支出した経費の全額が補助されないものが多い
補助金は、何か特定の設備や経費を補助するものです。
IT導入補助金であればパソコンやITツールなど、具体的に購入予定があるものを補助金でまかないます。
しかし、全額を補助してくれないものが多いです。
IT導入補助金の場合、補助率は2分の1だったり4分の3だったり、残りの2分の1や4分の1は自己負担になります。
補助金がもらえるからと特に必要のないものを購入したりすると、かえって資金繰りが悪化します。
融資であれば、設備投資に必要な資金を全額融資で受けることもできます。
(だからといって無駄遣いはいけませんが)
請求書、支払いの証拠など、提出書類が多い
補助金は交付が決定した後、ちゃんと補助の対象となる経費を適正に処理し、ちゃんとお金を払ったかを確認するため、検査をすることが多いです。
補助の対象である経費について、その経費を払うことになった理由、相見積もり、発注書、請求書、銀行振込の明細などを細かく整理し、補助金を交付する団体(経産省や中企庁など)の事務局に提出する必要があります。
これも手間がかかります。
相見積もりとか選定理由書など、上場企業であれば社内の手続きで作っていることもあるかもしれませんが、中小企業できっちり作っていることは多くないでしょう。
検査のために、書類を作るという手間も発生するかもしれません。
補助金対応のために、営業やサービスの磨き込みに時間をかけられないというのも本末転倒です。
融資であれば、決算書や試算表を月次で提出するということはありますが、よほど悪いことでもしない限り、請求書から発注書から提出を求められることはありません。
融資の方が、自由度は高いといえるでしょう。